発 行:ひょうすぼ社
発行人:佐藤理洋
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riyo@ma.wainet.ne.jp
創刊:昭和60年(1985年)6月15日

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 乱杭 120号(2001年6月17日)
◆フィンランディア◆

 今日の午後、パソコンゲームをしながらNHKのFM放送(海外クラッシックコンサート)を聴いていたら、「今日は、ヘルシンキフィルハーモニー管弦楽団の演奏会の模様をお伝えします。」とアナウンスがありました。
 もしや! と聞き耳を立てていたら「フィンランディア」も演奏曲目に入っていました。しかも、地元のヘルシンキ・フィルならひょっとして、と思ったとおり、『合唱付き』です。

 上の写真は、私が唯一持っているシベリウス作曲の「交響詩『フィンランディア』作品26」のCD(レナード・バーンスタイン指揮、ニューヨーク・フィル演奏)ですが、合唱は付いていません。

 私が、合唱の付いた「フィンランディア」を初めて聴いたのは、高校生時代、当時延岡高校で世界史を教えていただいていた甲斐栄二郎先生のお宅で秘蔵のレコードを聴かせていただいた時でした。その時には、北欧の近代史に絡めて「ロシアの対外侵略に抗して、民族の誇りを鼓舞した曲だ。」といった解説をしていただいたことを憶えています。以来、機会があれば「合唱付きのフィンランディア」のレコード、CDを探してきましたが、今日まで発見できずにいます。
 また同様に、オーケストラをバックに合唱の付いたフィンランディアを聴いたこともありませんでしたが、今年の冬に、民放のデジタル放送を見ていたら、ひょっこり合唱付きの「フィンランディア」が演奏されて、酔いがいっぺんに醒める経験をしました。

















 「フィンランディア」には、もうひとつ大切な思い出があります。私は学生時代、1年生の終わり頃から3年生の始めのかけて、混声合唱団に所属していました。
 その合唱団の定期演奏会の曲目選定の時に、「ぜひ『フィンランディア』を歌おう!」と提案して入れられ、演奏会の曲目として皆で練習し、合唱した思い出の曲なのです。
 当時歌った歌詞は、関 忠亮の訳詞で、今日の放送で紹介されたフィンランドの詩人ベリッコ・コスキエニエミの原詩とは幾分趣の違った歌詞のように思います。
 紹介された原詩の訳は、「お!スオミ(フィンランドの古名)、見よ。朝が明けて行く。朝の輝きは、夜の力に打ち勝った。」という内容でした。

 我々が歌った関 忠亮訳のフィンランディアの歌詞は、「青き空の色深く、木立も草もひかる。わが祖国よ、若者よ。他国の人もまた、同じひかりに映えるをともに願いうたえ。」

 NHK・FM放送の冒頭、曲目の紹介があったと同時に、お客が見えていた妻の部屋に乱入し、彼女のラジカセをひったくり、狭い我が家の、なおかつ私の支配区域の中で、比較的電波の受信状態がよい場所をいろいろ試して、カセットテープをセットし、シベリウス作曲の唯一のバイオリン協奏曲が放送されている間にテストを重ね、やりました。長い間探していた「合唱付きのフィンランディア」をついに録音しました。6.4`の真鯛を釣り上げた時と同じくらいうれしい。まずは満足できる録音状態でした。

 関大混声合唱団「葦」のOBの皆さん。ご希望の方は、返信メールをください。只でダビングして送って差し上げます。凄い演奏ですよ。合唱が始まった瞬間、長い間探していた思い入れもあるのでしょうが、両腕全体に鳥肌が立ちました。

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