大渚山スキー

 平成9年4月 12日(土) 天気快晴、しかしいやらしい風が吹く

 参加 松沢 横山


 仕事の関係で朝6時30分に起きた。車は真っ白に霜が降りていてびっ

くりした。まあ昨晩雪が舞うほど寒かったので仕方がない。7時から1時

間ほど仕事をして家に帰ると宏和さん(仕事の先輩。ヒマラヤにも行った

ことがある、元本物クライマー。テレマークがめちゃ上手い、らしい。)

から電話があった。

     「大渚山行こうぜ。」

   俺、「了解」。

 9時自宅出発。途中ローソンで買い出し。

本日のメニュー

    弁当おにぎりが売り切れだったので「寿司セット」

    カレーヌードル

    メントス

    ウーロン茶

 10時30分頃現地着。今年は雪が少ない。国道から小谷温泉に行く道

沿いは雪が全然無い。途中は平成7年の災害復旧工事が急ピッチで進めら

れていて川の姿が全く変わってしまった。イワナちゃんが心配だ。いつも

は雨飾山荘?のあたりまでは除雪してあるが、その上に栃の木亭という旅

館もできたことだし、今年は雪が少ないのでかなり除雪は進んでるだろう

な、と行ける所まで車で行くことにした。案の定ロータリーで飛ばしてあ

り、かなり上まで行けた雨飾登山口の300メートル手前ぐらいまで行く

ことができた。道ばたに車を捨てて適当なところから取り付いた。なだら

かな斜面を登ると見晴らし台みたいな物がありその先の斜面を降りると鎌

池だった。鎌池から右手の斜面からのデブリがあるのでちょっと注意して

通過。林道沿いに登り途中ショートカットしたりして大渚山がよく見える

見晴らしの良い林道沿いでひと休み。湯峠まで300メートルくらいの所

だ。しかし今日は腹が減る。いつもと全然調子が違う。「今朝はちょっと

しか飯食ってこなかったからなあ」と思いながら歩いていたが、突然思い

出した。「昨日は歓迎会で焼き肉とビールしか食わなかった。飯を食って

ない!」これから頂上まで頭の中は「寿司」と「カレーヌードル」しか浮

かばず。少し登っては休み「腹減ったー」の連続だった。湯峠から大渚山

に続く稜線を「これもトレーニング」と思いストップアンドゴーで登るし

かし、腹が減ってるので疲れる。稜線を下ると目の前は大渚の大斜面だ。

しかし、今回はかなり違う。これまで数回訪れているが非常に雪が少な

い。昨年一昨年は雪が割れているところを見なかった。しかし今回は不気

味な口をぽっかりと開けていた。雪の量は昨年の連休以下だ。生えている

潅木も急に大きくなった感じだ。この急登は堪える。雪は少ないが斜度は

同じ。斜面の右手を「腹へったー」といいながらあえぎながら(気持ちよ

くない)登った。半分ほど登ったところで「どかーん」とおおきな音が聞

こえた。たぶんどっかのブロックのでかいのが落っこちたと思う。昨日の

新雪はだいぶ腐っているが、その下の雪はかなり締まっている。途中トラ

バスしたら2メートルほどずるずる落っこちてしまった。「こりゃもった

いない。かついじゃお。」とザックにスキーを付けた。最後の40度ぐら

いの斜面をまたまた「腹へったー」とぶつぶつ言いながら登り切るとゴー

ルが見えてきた。5人ほどのパーティーが昼飯の最中だった。こっちもか

なり腹が減っていらいらしてたのでザックを放り出して昼飯の準備を始め

た。今日の昼飯は寿司とカレーヌードル。寿司はあっと言う間に終わりお

湯の沸くのを待った。水が少ないので雪のきれいなとこを選んでコッヘル

につっこんだ。しかしいつも思うのだが私の使ってるオプチマス123R

というガソリンコンロはうるさい。火力は強力でしかもコンパクトでお気

に入りなのだが、静かに山を楽しもうとしている人にとってはかなりの騒

音だろうなと思っていつも使っている。まあやめるつもりは全然無いしい

ざというときに頼りになるので勘弁して下さい。カレーヌードルもあっと

言う間に終わってしまった。宏和さんの持ってきたイカ燻もあっと言う間

に終わってしまった。ウーロン茶もあっと言う間に終わってしまった。も

う少しいろいろ持ってくれば良かったなと後悔した。腹六分目ぐらいにな

ってやっと落ち着いて回りの景色を楽しむことができるようになった。大

斜面のうえにピークが一つ頂上は東西に長く、西の端っこにもピークがあ

る。西の端っこにはなんだか知らないが建物らしきものがある。宏和さん

が「あっち行ってみよう」と言っていたが飯を食う前は「遠いし、めんど

うだなー」と思っていた、しかし今は機嫌がいいので私も行くことにし

た。食べ物は人間を優しくする。建物らしき物はよく見ると展望台だっ

た。二階建てなのだが雪が積もっているのでまたいで入ることができた。

360度のパノラマはやっぱり何度でもいい。お山の大将はやっぱり気分

がいい。北には糸魚川市、海はかすんで見れなかったそれから東にどーん

と雨飾山、昼闇山、天狗原山、妙高外輪山、佐渡山、乙妻山、高妻山、戸

隠、南はかすんで遠いところはよく見えなかった。そして鹿島槍、五竜、

唐松と北アルプスが一望できた。しばらく展望を楽しんでいよいよ滑走に

入った。大斜面はむかって右側が割れているのでいつもの左側たぶん45

度はある斜面を滑った。何回来てもいい斜面だ。あんまり欲張ると下で大

変なので中間あたりから左に向きを変えて滑る。この斜面はすばらしいが

正味30秒ぐらいであっという間に終わってしまうのが残念だ。しかしけ

ちけちしないで一気に滑り降りるのがすっきりと気持ちいい。しかしワッ

クスがいいかげんなのであまり良く滑らず残念だった。ここからはルート

は来たルートを引き返す事となる。途中5分ほどスキーをかつぐ。小ピー

クから湯峠までは稜線上を滑る事ができるが左側の沢に落ちる結構気持ち

良い斜面がある。沢を登り返す覚悟があれば結構楽しめる斜面だ。沢の反

対側に林道があるので登り返しにならないように滑って林道に合流する。

後は林道沿いにショートカットしながら滑り降りると鎌池に到着。朝降り

た斜面は面倒くさいので登らず、林道沿いに降りる。途中雨飾山への道と

合流する。テントが一張りあり静かなキャンプで良さそうだ。雨飾山への

道にもたくさんトレースがあったのでかなりの人が入っている様子だっ

た。そこから300メートルぐらい林道を下ると捨てた車に到着した。暑

いので汗でぐちゃぐちゃ。喉がからからだった。途中スキーヤーの車がお

いてあったがナンバーは全部県外、岡山ナンバーもいた。しみじみ「めぐ

まれてるよなー」と思った。大急ぎで栃の木亭に行ってビールを調達つい

でにつまみに「これ好きなんだ」というウドのしょうゆ漬けも買った。5

00缶があっという間に終わってしまった。しかしこのビールが感動的に

上手かった。このためにスキーをしてるようなもんだ。露天風呂はおじさ

んが雪かきしてお湯を通す準備の真っ最中だった。あきらめてそのままい

い気分で家に帰った。

何かとあっという間に終わってしまうスキーツアーだったが、お手軽で根

子岳よりはよっぽどおもしろいと思うので行ってみて下さい。

夜8時

 「えーと、見えた山は雨飾、天狗原山、それから・・」

リーンリーン「もしもし」「もしもし、山川です」その瞬間ひらめくもの

があった。「大渚山行きませんか?」大当たり。思わず笑ってしまった。

「やー、今日行って来ちゃったんですよー。でもいいですよ行きましょ

う」と言うわけで明日は白馬乗鞍か大渚山でスキーとなった。「2日連チ

ャンもたまにはいいよなー。やっぱり恵まれてるよなー。」とにやにやし

てしまった。友人が泊まりに来ていたので今日の反省点を繰り返すことの

無いようしっかりと飯を食べてしっかりと飲んで11時沈。

とりあえず