四阿山から万座温泉 00.04.09

ぶなの森同人親分 山川氏のいぶし銀ルート

         文  山川徳明 氏

今回は好天を狙い、完全なピンポイント速攻、でいきました。

すごく長かった。でも印象的なツアーができました。以下レポートはPC−VAN
山フォーラムにくろべえというハンドルで掲示したものです。

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長野市から南東方向を見ると、菅平から志賀高原を経て、野沢温泉に至る長大
な山並みが見えます。ここは四阿山付近や、破風高原周辺に部分的に登山道が
開けているものの、続けて縦走するには積雪期にスキーを使用するしかありません。
私はこれを勝手に「上信スカイライン」と呼んで、いつか踏破したいと考えています。

渓さんやZERMATさんの菅万ツアーのレポートに触発され、何度かトライしたもの
の天候に振られて過去2回失敗していました。今回、四阿山から万座温泉までなら
この時期であれば、好天のチャンスを狙ってスキーの機動力を生かせば1日で抜
けられるのでないかとトライしてみました。

かつては山深いコースでありましたが、パルコール嬬恋スキー場が浦倉山の稜線
まであがり、いざとなれば容易にエスケープが可能になってしまい、以前のような
プレッシャーはなくなりました。

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4月9日

朝4時30分に四阿高原に車をおきヘッドランプで歩き出す。四阿の稜線が夜明け前の
シルエットになっている。良い天気だ。実は昨日も来たのだが、四阿高原は雪降り
であったためいったん帰り、今日、再度出直してきた。

7時40分、四阿山山頂に到着。できるだけ余力を持って四阿山までの標高差900m
を登ることが第1ステージの目標であった。四阿山からはナイフリッジになるため、
しばらくはスキーをはずす。尾根が平坦になり雪原のようなところを通過すると、
前方にスキー場が現れる。

9時40分浦倉山山頂。ここからはしばらく滑降できそうな地形なのでシールをはずす。
ここから鞍部までは滑降が楽しめる。「滑り屋」にはものたりない傾斜だろうがこの
コースの性格上止むを得ない。

土鍋山は稜線伝いに下降するのは危険なので、北西側斜面をまく。できるだけ水平
にトラバースと目論んだが濃いやぶにはまってしまった。ここはよく樹林の薄いところを
狙ってトラバースしないと私のように失敗する。

破風岳と土鍋山の鞍部からは小串鉱山跡目指して少し滑降。途中からトラバースし
毛無峠へ。このコースで最も印象に残る風景が鉱山跡の荒涼とした風景であった。
ここで12時30分になったので大休止とする。湯を沸かしてカップヌードルを食べる。

ここからはひたすら林道をたどることになるが、御飯岳の西面を横切る林道が結構
険しい地形のところを通過しており、頭上に大きな氷瀑がかかっていたり、林道上の
岩場をカモシカが逃げていったりと、飽きなかった。しかし、そろそろ疲れてきて、スキ
ーが足かせのように重い。

万座道路との合流点からはいくらかくだりになるので楽になるが、あいかわらずうんざ
りするほど長い。日が傾きかけた4時、万座温泉のゲレンデに合流した。ゲレンデを
すべり、バス停へ。とてつもなく長かった1日は終わった。私は普段ゲレンデスキー靴を
使用しているが、さすがに歩行要素が強いので兼用靴を使用した。

バスで万座鹿沢口へ、そこからはタクシーで車を置いてある四阿高原へ戻る。
タクシーの運転手さんは子どものころ、小串硫黄鉱山で働く父親に差し入れをする
ためにアザラシのシールをつけたスキーで、往復したそうでいろいろと面白い話を
聞かせてもらった。

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このコースは四阿山付近が急なだけで、浦倉山以降はなだらかな地形が続く。
私のようなアルペン山板には不向きな地形といえる。
テレマークの達人であればもっとスピーディーに、軽やかに踏破することができる
だろう。「上信スカイライン」の続き、万座温泉以北のツアーもぜひ実現したい。
できればテレマークで、というのが夢である。
パルコール嬬恋ができた今日、浦倉山から万座温泉までのツアーも楽しいと
思う。特に小串硫黄鉱山跡の荒涼とした風景はとても印象的である。
渓さんZERMATさんたちの「菅万ツアー」レポートを参考にさせていただいた。
また、ぱらら☆さんに譲っていただいたカザマアウトバックを使用させていただい
た。

この場をお借りして御礼申し上げます。

「上信スカイライン」四阿山〜万座温泉スキー縦走
2000年4月9日
くろべえ(単独)

四阿高原(4:30)−−−−四阿山(7:40)−−−浦倉山(9:40)−−−毛無峠(12:30)

−−−万座温泉(16:10)

とりあえず